電気工事業の登録と許可

「電気工事業」を営むためには、原則、都道府県知事又は経済産業大臣の登録を受ける必要があります。

営業所がひとつの都道府県にある場合は都道府県知事の登録で、営業所が複数の都道府県にある場合は経済産業大臣の登録となります。

ただし、建設業許可を受けた建設業者の場合は、「電気工事業開始届」を出せば、電気工事業を営むことができます。しかも許可の業種は「電気工事業」でなくてもいいのです。

建設業の「電気工事業」の許可は、500万円以上の工事を請け負う場合に必要となるのです。

ですので、「電気工事業」の建設業許可を受ければ、登録も必要なく、自分のところで電気工事ができるだけでなく、自分のところで電気工事をしなくても下請業者に500万円以上の工事を任せることもできるのです。

また、電気工事業は次のように分類されます。

  • 一般用電気工作物のみ工事を行う
  • 一般用電気工作物及び自家用電気工作物の工事を行う
  • 自家用電気工作物の工事のみを行う

そして、この電気工事業の分類と建設業許可の有無によって、電気工事業者は次のように分類されます。

電気工事業者の分類

業者の種類 建設業許可の有無 工事の内容
登録電気工事業者 一般用電気工作物のみ、一般用電気工作物及び自家用電気工作物
みなし登録電気工事業者
通知電気工事業者 自家用」電気工作物のみ
みなし通知電気工事業者

要するに、建設業許可を受けていて届出をすれば、電気工事業者とみなされるということです。許可業種が「電気工事業」でなくても電気工事業を営むことができます。

鳥取県で電気工事業を営もうとする方は、こちらを参考にされるべきです。

鳥取県の電気工事業の手続き

 

建設業の電気工事業

上記で「電気工事業」を営むためにはどうすればいいかをお話ししましたが、次は建設業法による「電気工事業」についてです。

登録申請や届出を出して営む「電気工事業」は「電気工事業法」に基づくものであり、所管は経済産業省ということになりますが、建設業法上の「電気工事業」は国土交通省の所管となります。

つまり、「電気工事業」といっても、根拠となる法律が違うのです。

建設業法の電気工事業

1.電気工事とは

建設業法における「電気工事」とは、発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事のことをいいます。

(例示)発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備工事(非常用電気設備を含む)、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事

2.類似工事との区分

他の建設工事の中には、電気工事と区別しにくい工事があります。そのため国土交通省は建設工事の区分の考え方を「建設業許可事務ガイドライン」で定めています。

①屋根一体型の太陽光パネル設置工事は『屋根工事』に該当する。

②太陽光発電設備の設置工事は『電気工事』に該当し、太陽光パネルを屋根に設置する場合は、屋根等の止水処理を行う工事が含まれる。

③『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれる。そのため、機械器具の種類によっては『電気工事』『管工事』『電気通信工事』『消防施設工事』等と重複するものがある。

これらについては原則として、『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分する。

3.建設業許可の「電気工事業」

建設業許可の「電気工事業」は500万円以上の電気工事を請け負う場合に必要となります。ただし、請け負っても自社(自分)で工事を施工する必要はありません。下請業者にすべて任せることもできます。

しかし、登録(もしくは通知。いずれもみなしを含む。)して行う電気工事業の場合は、自社で施工しなければなりません。

電気工事業の建設業許可が無い場合、自社で電気工事を施工するならば、その請負金額に関わらず、必ず登録(もしくは通知。いずれもみなしを含む。)を受けて工事を行わなければいけないということです。